Sunday, July 6, 2014

七夕物語と羽衣伝説

今日は七夕ですね。

七夕といえば織姫と彦星の物語。

このエピソードは本来中国の古典に端を発するものなので、似たようなものは中・韓・日・ベトナムなどにもあります。

ところが日本以外の国では、「羽衣伝説」とごっちゃになっているケースがあります。

「羽衣伝説」といえば、天の羽衣を持って空からおりてくる天女に地上の男性が恋をする物語。

たとえば、ベトナムの七夕物語では彦星は「牛飼い」で、たまたま水浴びする天女を見てしまい、羽衣を拾って恋に落ちる、というストーリーになっています。

七夕物語は東アジアのみに伝わるものですが、羽衣伝説は世界中に、それこそアラビアンナイトの中にも出てくるように、あちらこちらにあります。

そして広く広まっているだけに、もろもろ亜流が存在し、、、たとえば、遠くイギリスまで至ると、羽衣のかわりに天女が「アザラシの毛皮」を落としていく、というストーリーになっていたりします。

と考えると、ベトナムの例は土着の物語の七夕の物語と、ワールドワイドな羽衣伝説が混ざった亜流の一つといえるかもしれません。

そんな中、日本は羽衣伝説と、彦星と織り姫の話がきちんともとに近い形で別々になって残っている珍しい国。

これは、日本がシルクロードの端にあって、中国文化圏からも、アラビア文化圏からも、程よく遠く、程よく近かったからなのかもしれませんね。

あいにく本日の日本は雨のようですが、前述の通り七夕物語は東アジア全域にありますので、どこかの天の川はきっと晴れでしょう。ご心配なく。

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