Monday, March 31, 2014

明日はエイプリルフール

明日はエイプリルフール。

あまり知られてないことだが、エイプリルフールはイエス・キリストのこの逸話から来ている。

「イエスは群衆を前にしてこういった。 

『普段嘘をついたことの無い者だけが、今日は特別、嘘をついてもよい。』

 すると、群衆は誰も嘘をつかなかった。」

 だから、普段正直に行きている訳でもない俺が

明日エイプリルフールだからといって、嘘なんてつけるわけないだろ。


そして、この逸話はもちろん嘘だ。

Thursday, March 27, 2014

晴れ時々ミサイル


「今日の天気は、全国的に晴れ時々ミサイルです。」

天気予報が告げる。

それを見ていたママが言う。

「あなたー、今日はミサイルよ、防護スーツはちゃんと着た?」

「ああ、ありがとう、うっかり忘れるところだったよ。あぶない、あぶない。」

と、パパはそんなことをいいながら、銀色の防護スーツに着替える。

「これさえ着てれば、ミサイルも放射能も怖くないからな。

じゃ、カオル、行ってくるよ。いい子にしてるんだぞ」

そういって、パパは、ゆっくりと二重になった玄関のシャッターを開けて
会社に出かけていった。


防護スーツを持ってないわたしは、ミサイルの日は外に出られない。

今日は学校もお休みだ。

「あーあ、つまんないの」

そう思いながら、窓の二重防弾ガラスを通じて外を眺める。

道を歩く人も、鳥や犬や猫の姿もない。動くものは何もない。

時々防護スーツ姿のサラリーマンが、駅へと通勤していく姿以外は。


外は雲ひとつないのに。
空はあんなに青いのに。
私は家から一歩も出られない。

隣の国の狂った軍事用コンピューターはときどきこうやって、
ミサイルを大量に撃ち込んでくる。

決まってこんな晴れた日に。
わたしは遊びに行きたいのに。

十年以上前の戦争のさなか、クーデターで指導者を失い、
なおも続いた動乱で国が荒れ果てた後も
コンピューターだけは動き続けている。

人が入り込めないほど放射能で汚染された無人の基地で、
コンピューターだけが生きていて、

いつまでも戦争を続けてるなんて。

とっても変な話だよね。

前に、パパが話してくれたんだけど、

いまから十年以上も前の話、隣の国から初めてミサイルが飛んできたとき、

それはもう、みんな大パニックになって、

国中大騒ぎになったらしいんだって。

でも、いまではそれも嘘みたいに、みんな慣れっこになってしまったんだって。

「ホントは取り返しのつかないことを人類はしてしまったんだけどね」、ってパパは言ってたけど、

生まれる前のことだし、あたしにはよくわかんないや。


お天気予報のキャスターがまた繰り返す。

「今日は晴れときどきミサイルです」

防護スーツが発明されて、ほぼすべての家がシェルターに覆われるようになって。

いまではミサイルによる犠牲者は一年間の交通事故死亡者よりもずっと少なく、

天気予報の隅っこでときどきその事を意識するだけになっている。


「あーあ、つまんないの」

わたしはこれから始まる退屈な一日を思って、ため息をついてほおずえをつく。

空はあんなに青いのに。
わたしは遊びにいきたいだけなのに。

Monday, March 17, 2014

犬と飛行機

日本語の「月とすっぽん」は

タイでは「犬と飛行機」というらしい。

比べるにしても、犬、と飛行機か。。。

なんだか突拍子も無くて味が有る。

このことわざは、似てるけど、価値の全然違うもの、って意味だっけか。


月とすっぽんは同じ形をしているから、

ついつい他人から勝手に比べられるし、

池の中のすっぽん自体もひょっとして月を見上げて

俺もあんな風に空高くにいければ、と思うのかもしれないけど、

犬は飛行機をうらやましがったりするのだろうか。

少なくとも。

僕は自分の飼い犬を見てお前も頑張って飛行機くらいになれよ、とか思わないし、

犬は犬で飛行機と自分をくらべて、コンプレックスを抱いたりはしないだろう。

犬は犬でたぶん犬暮らしをエンジョイしている。


そういえば、他人と比べることで人の不幸は始まった、とも言うし、

財産とか、能力だとか、だれかをうらやましがってもきりがない。

そう考えると、なにごとも、「月とすっぽん」とか思うよりも、「犬と飛行機」くらいな感覚でいた方が

結構幸せな気もするのです。

Tuesday, March 11, 2014

犬はどこへ逃げた?


「犬が逃げちゃったんだよ、あの角の先にいる」

と家の前で困り顔で立っているおばあさんのそばを通りかかった。

「捕まえるの手伝ってくれないかい?」

ああ、じゃあ、そういうことなら、、とおもって、おばあさんの指し示す方向に探しにいってみるけれど、犬はみつからない。

すると、家の中から「ああ、すみません、、」と家族らしき人が出てきた。

なんでもおばあさんはぼけてしまっていて、いつも「犬が逃げた」と言っているのだとか。

迷惑かけてごめんなさいね、と謝る家族の人たち。

いえいえ、大丈夫ですよ、と答えながら、思った。

さっきの、おばあさんの困った顔はとても、真剣だった。

そりゃそうだ、実際に逃げた犬はいなくても、おばあさんの中では

「かわいがってた犬が逃げてしまった、困った」

という感情がずっと続いているのだから。

でも、そもそも人の心は、だいたいこんな風に不思議に理不尽に出来ていて、
実際に逃げてもいない犬のことを悲しんでいるおばあさんのように、

誰しも、ありもしないことをおそれていたり、
失っていないものを失ってしまった、
と嘆いてみたりしているのかもしれない。

いったい人の心から、犬はどこへ逃げて行くのだろう。



ロマンティック脳のせいで歯が痛い

あたたたたた、

歯が痛くて目がさめる。

左奥歯がずしんずしん、とクる。

虫歯かな?と思い、急ぎ歯医者で検査をしてもらうも、虫歯は無いらしい。

おそらく原因は、噛み合わせということで、すこし削って調整してもらう。

それから2日。やっぱり痛い。

変だなあと思って調べると、
歯痛の場合、虫歯は30%程度でしかなくて、ほとんどが違う原因なのだとか、あとは噛み合わせや、鼻炎により圧迫される痛み、など、
歯医者だけでは、わからない原因も多いのだとか。

それ以外にも昔虫歯だったところがある場合
脳はその痛みを忘れられずに、なにかのストレスの際に、
ふとその痛みを思いだして、痛くなることも有るのだとか。

なんだそれは。

ロマンチックかおまえは。

なんだか失恋の古傷みたいな話をしやがって。

脳も以外とアホだな。

「いつも一緒にいたかった〜歯痛とわらってたかった〜」

プリンセスプリンセスか。

いや、それは遠慮したい。もうむしろ痛みでわらうしかない。

ああ、くそ。そんなアホなことを言っていても、やっぱしいてえ。

今回は虫歯じゃないとしてもやっぱり虫歯は怖い。

だじゃれはそれくらいにして、歯はきちんと磨こう。

だって、

「もう虫歯なんてしないなんて、いわないよ絶対。」

Sunday, March 9, 2014

ローテンション制



とある飲食店の前をとおったらバイト募集の張り紙に

「ローテンション制なので、気楽に働けます!」

そうかぁ。

ローテンションでもいいなら楽だよなあ。

ハイテンションで働くのは結構大変だもんなあ。

「いらっしゃいませ、こんにちわー。」

って連呼し続けるのも結構疲れそうだし。

「、、あ、ども、まいど」

くらいで、気楽に働きたいし。

これからの日本の労働環境はやっぱローテンション制だよ。

きっと、過労死も無くなる。

とか思いながら、張り紙を見ると。

あ、「ローテーション」制なのか。。。。

Friday, March 7, 2014

ピチカートファイブと数学と


数学の博士号を取る為に、

日本に留学してきたスウェーデン人の話。

アメリカの大学をでてるのに、

なんでわざわざ日本に?

まして数学科なら、別の国でもいいじゃないか。

と聞けば

「ピチカートファイブにはまったから」

だそうだ。

「僕の村では誰もピチカートファイブなんて知らないんだ。
でもここではみんなが知ってる。とても嬉しいよ!」

と。

彼は愛するピチカートファイブの国で、数学を学んで、幸せそうでした。

日本は豊かに見えるけど

「日本は豊かにみえるけど自殺者が多いのはなんでだ?」

と不思議そうに僕に聞いたのはタイの実業家。

「そもそも母国語の本なんてないから、英語よむしかないし」

留学経験がないのに英語が上手なミャンマーのエンジニア。

「いや、子供の頃は戦争やっててさ」

とこともなげに言う日本のIT企業で働くボスニア出身のサラリーマン。

ふと日常のあたりまえに気づかされるのは

どうして、いつも外からの視点なんだろう。

そうでもないと、身の回りのことにすら気づくことが出来ないんだろう。

とても間抜けなようで、でも本当はとても幸せな話だよ。


Thursday, March 6, 2014

ジョージ イズ スケベジジイ


知り合いに白髪のアメリカ人がいる。名前はジョージ。

いつも新聞のクロスワードパズルを持ち歩いていて。

年齢は、60後半〜70代くらいかな?
見た目はちょっとダンディなおじいちゃんだ。 

毎日のように、近所のバーに通い、バーに来た女の子にしょっちゅうちょっかいだしたり、 下ネタを言ったり。

でも、ジョージのちょっとダンディな雰囲気と、物珍しさで、あんまり迷惑がっている客もいない。 むしろたいていはおもしろがっている。

愛着をこめてスケベジジイなんてよばれてたり。

僕とジョージは同じバーの常連客という関係で、 たまに、世間話をしたりという程度の間柄。

 、、、、、と思っているのはどうやら僕だけで、ジョージの方は一向にこっちのことを覚えてない。

だから、毎回僕の名前を聞く。

おお、ダイチかよろしくな。

おまえ、英語がうまいな、どこからきたんだ?

え、外国に住んでたんじゃないのか。

じゃあ、あれかガールフレンドはガイジンか?

俺か?俺は日本の女が好きだな。もう日本に40年位いるのさ

なんてお決まりの会話。

うーん、先月も一緒に話したじゃん。

僕はジョージがノースカロライナ出身なこととか、

英会話の先生と俳優をやってて、映画にもでてることとか、

若い頃はアメリカで4人の女性にプロポーズされたけど、 結局選べなくて、いま少しだけ後悔していることとか、

結構いろいろ知ってるよ。 


というと毎回びっくりしたような顔をして、

なんで知ってるんだ?

っと言う。 

ボケちゃってるのかなあ、と心配になるんだけど、 店で話した女の子のことは一発で覚えてるんだから、 やっぱりボケちゃいないらしい。

 本人も自慢げに、

 俺は、女の顔は覚えるけど、男の顔はおぼられないんだ!! 

という。


よかったボケたじいさまはいなかったんだ。 なんて言ってみたりして。


ねえ、でもジョージ。

僕のことは覚えてなくてもかまわないけど、 

もし、ジョージが女の子の顔を覚えられなくなったら、 

ジョージがジョージじゃなくなったみたいで、

たぶんすごく寂しくなるから、

ジョージらしくずっとスケベジジイいてくれよ。