大阪府が時給を出しアルバイトの見回り隊を雇い店舗をチェックさせて回っているようだ。
飲食店だけでなくエンタメ施設なども対象なのだとか。
ここは大阪の繁華街。
営業中の小さなライブハウスに見回り隊の男がやってきた。
男はニコリともせず事務的にこう言い放った。
「こちら見回り隊です。こちらの店は店舗面積が小さく、密になっているようですね。これでは営業を許可することができません。」
ライブハウスの店主は焦ったように答える。
「そんなこと言われたって、これでも頑張って席を減らしたんですよ。なんとかなりませんか、うちは補助金の対象ではないんです!」
しかし、そんな店主の懇願にも男は表情を一切変えることはない。
「自主的に営業をやめないというなら、府に報告しますよ。あくまで自主なので罰則はありませんが、来年以降の営業許可がおりなくなるかもしれませんよ。」
「見回り」という正義を盾に着た男の冷たい目はなんの交渉も受け付けないように見え、店主は愕然とした。
その強硬な姿勢に店主は翌日店を休業することとした。
「ああ、明日からどうしたらいいんだ、収入もないし。。。」
そこにまた昨日の見回り隊の男がやってきた。
嘆く店主を見て、男は昨日とはうってかわったように温和な表情で店主に言う。
「どうやら、お困りのようですね?もしよろしければ、あなたにぴったりの仕事がありますよ。」
「え、、、、それは、本当ですか?」
「僕ら見回り隊に入りませんか?時給1300で交通費も出ますよ。」
「え、、」
「実はね僕ももともとコロナ禍でやっていた居酒屋が倒産してしまってね。それでこの仕事についたんですよ。一緒にがんばりませんか??」
「そ、そうだったんですか。あなたも、、、かつては私と同じ。。。」
「そうです。さあ、頑張って自粛させましょう!!社会のために!」
「はい!」
こうして二人は連れ立って「見回り」に出かけるのでした。