Tuesday, January 28, 2014

らくだの処世術


らくだっているじゃない。

人間が砂漠をわたるときに乗るやつ。

あいつって、いつもおとなしく人を乗せているイメージだけどさ。

それでも、威張り散らしたりする人間がいると、わざと振り落としたりするんだって。

そして、人間が起き上がって近づくこうとすると、

すすすっと手の届かないところに逃げて距離を保って、

あの眠そうな目でじっと人を見下ろすんだって。


何も無い砂漠で人間はとても弱いもので、

「あれ?おれこいつにおいてかれたら、死ぬんじゃないか?」

って人間ははじめてそれに気づくんだ。そして、とても怖い思いをする。

で、人間がそれを思い知ったころに、らくだは近づいてまた従順な従者に戻るんだってさ。


そうすれば、今度は人間もえばり散らしたりしなくなる。

きっとその後は、いい旅の仲間になれるんだ。

これが、らくだの処世術なのかもしれないね。

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