らくだの処世術
らくだっているじゃない。
人間が砂漠をわたるときに乗るやつ。
あいつって、いつもおとなしく人を乗せているイメージだけどさ。
それでも、威張り散らしたりする人間がいると、わざと振り落としたりするんだって。
そして、人間が起き上がって近づくこうとすると、
すすすっと手の届かないところに逃げて距離を保って、
あの眠そうな目でじっと人を見下ろすんだって。
何も無い砂漠で人間はとても弱いもので、
「あれ?おれこいつにおいてかれたら、死ぬんじゃないか?」
って人間ははじめてそれに気づくんだ。そして、とても怖い思いをする。
で、人間がそれを思い知ったころに、らくだは近づいてまた従順な従者に戻るんだってさ。
そうすれば、今度は人間もえばり散らしたりしなくなる。
きっとその後は、いい旅の仲間になれるんだ。
これが、らくだの処世術なのかもしれないね。
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